相手が本当にほしいものを理解する対応法
●相手のことを「知っているつもり」「わかったつもり」はあてにならない
常日頃から、わたしは「相手を知ることの大切さ」をお伝えしています。
そのなかでも、とくに気をつけなければいけないことは、
「自分なりに知っていること」と
「本当の意味で知ること」の違いを認識することです。
自分では「知っている」と思っていても、
じつはわかっていないことは多いもの。
まず、そこに気づけるようになることは、
ビジネスを発展させていくためにも欠かせません。
では、なぜ「知っている」と勘違いしてしまうのでしょうか?
それは、人はそれぞれ、自分の価値観を持っているからです。
「自分がこうだから相手もこうだよね」
と考えてしまうことで、勘違いが起きてしまいます。
ですから、いったん自分の価値観は横に置き、
相手の価値観を知ることがもっとも重要なのです。
たとえば、Aさんが「B」と言ったとします。
このとき、多くの人が
「わたしが『B』を選ぶときはこういうときだから、
多分Aさんもこれが理由で『B』と言っているのだろう…」
と考えてしまうのです。
でもここで、わたしは
「ちょっと待って。本当に『B』なの?」
と考えるように心がけています。
確実に相手の考えを理解したうえでの提案でなければ、
話もうまく進みません。
そして、相手の考え方を知るためには、
訓練や努力が不可欠なのです。

●「本当かな?」と考えてみる
お客様の考えていることを理解することは、
信頼関係を深めるうえでもとても大切です。
もし、お客様の考え方とポイントがずれていたら、
提案もすべてずれてしまいます。
大抵のお客様は、あなたの言ったことが少し違うと感じても、
「いえ、それは違います」
とは言いません。
大人の対応で、
「そうですよね」
と話を合わせてくれるものです。
だからこそ、「本当に『B』なのか?」という確認が必要なのです。
このとき、たとえ話がとても有効なので、
ぜひ2~3例は用意しておいてください。
たとえ話をしたときに、
「ああ、そうなんです!」
とテンションが上がり、
お客様の素直な気持ちがあらわれているようであれば、
もう「B」で間違いありません。
この状態は、バレーボールでいうところの
「トスが上がった状態」です。
次は叩くだけでいいでしょう。
ところが、ここまでお客様の考えを確認し、
理解できている人はそう多くありません。
でも、このプロセスの重要性を理解し、
お客様へのヒアリングを大切にできなければ、
残念な結果が続いてしまうはずです。
●相手に興味を持つ習慣が理解を早める
お客様の問題を解決するためには、
その本気度をつかむことが重要です。
どれだけ本気で悩んでいるのか気持ちを把握するためには、
「はい、そうなんです。治したいんです」
「これ、ほしいんですよね」
という言葉さえも、そのまま鵜呑みにしてはいけません。
徹底してお客様の状況を理解することが、
最終的な成約率にも関わってきます。
また、この考える力を高められると、
相手を早く理解できるようになります。
相手のニーズをつかむまでの時間を縮め、成約率を上げるには、
日頃から相手に興味を持つ訓練が欠かせないのです。
「お客様は、本当にいますぐ解決したいと思っているのかな?」
「どれくらい本気なのかな?」
と常に考えることを習慣にしましょう。
