新規のお客様の心をつかむコミュニケーション術
●新規のお客様には事前のお電話で信頼を築く
お客様をイベントなどにお誘いする際、
既存のお客様と新規のお客様ではお声がけが変わります。
前回のコラムで既存のお客様へのポイントをお伝えしました。
今回は、新規のお客様に有効な方法をお話しします。
新規のお客様には、どのようにアプローチするのがいいと思いますか?
わたしは、お申し込み方法に関わらず、
かならずお電話をかけて直接お客様とお話しするようにしています。
ネット予約やLINE予約の場合でも、
「予約確約はお電話で行わせていただきます」と明記して、
お申し込みをいただいたお客様には、
かならず電話で折り返しのご連絡をするのです。
お電話で直接お客様とお話しする目的は、いくつかあります。
まず第一に、お客様の不安を軽減することです。
はじめて訪れる場所に対しては、誰でも少なからず不安を感じるものです。
とくに、若返りのための体験価格が安価でない場合、その不安は増すでしょう。
お電話でお話しすることで、お客様の不安を解消し、
来店を楽しみにしていただけるようなコミュニケーションを心がけています。
イベント前に、「この場所は感じがよさそうだ」「行きやすそうだ」
と思っていただくことが重要です。
お電話をかけた瞬間から、
クロージングに向けた準備が始まっています。
このスキルがないと、
お客様の悩みを聞き出すことも難しくなるでしょう。
ところが、この点を理解していない人は、
「ご予約ありがとうございます。当日お待ちしています」
とだけ伝えて電話を切ってしまいます。
これではお客様との距離を縮めることができず、
お電話をする意味が半減してしまうため、注意が必要です。

●お客様の悩みやタイプを前もって把握する
お電話で、親しみやすく、
感じのいい人という印象を持っていただけると、
お客様はイベント当日もお話しやすくなります。
そのため、事前のお電話で、
「体験で効果を高めるために、お肌のことを少し伺ってもよろしいでしょうか」
と、自然にお客様の悩みを引き出しておくといいでしょう。
たとえばシミを気にされている人の場合、
多くの人がエステの経験をお持ちです。
そこからさらに、
・定期的にしっかりとコースで通われていたのか
・それとも気分が向いたときに通われていたのか
お客様がどちらのタイプなのか、しっかり確認しておくことが大切です。
このとき、
「しっかり定期コースで通う人もいれば、
気分が向いたときに通う人もいらっしゃいますが、
お客様はどちらのタイプですか?」
と選択肢を提示して、簡単に答えていただけるようにしましょう。
「コースで通いました」
と答えたお客様に対しては、
「コースで通われるということは、
悩みをしっかり解決したいという強い気持ちがおありなのですね。
美意識が高くて素晴らしいですね」
と、まずはほめるところから入ります。
そのあとは、実際の接客と同様に、
世間話のようなリラックスした会話を進めるといいですね。
「それほど美意識が高いということは、かなりの金額をかけたのではないですか?」
「先ほどのお客様も、10回で15万円以上かかったと仰っていましたが、それくらいでしたか?」
と尋ねることで、
「何回だったかな? でも10万円前後だったと思います」
というように、話してくれる確率が高くなります。
この方法は、たとえ話の後光効果を活用したトーク術です。
●お客様に合わせたプランを提案する
なぜ事前に、これまでのエステにかけた金額まで聞き出す必要があるのでしょうか。
その理由は、その方が自分の悩みにどれだけ投資する意欲があるかを知るためです。
エステに通っていると聞いただけで、
「このお客様に販売できる」と考える人が多いのですが、それは誤りです。
エステに通っていくら投資しているのかまで、きちんと確認しましょう。
1回お金を払った経験がある人は、
再びそこにお金をかける可能性が高くなります。
でも、
「お試しで行ったけれど、あまり満足できなかったので、
気が向いたときに少しずつ通っています」
「金額は、5000~6000円もしなかったかな」
と言う人は、悩みはあっても大きな投資をしないタイプかもしれません。
いまのままでは、高額商品の販売は
難しいと認識しておくことが賢明です。
同じ悩みを抱えていても、
積極的に投資する人と、投資まではしないという人がいます。
事前にこの点をしっかりと確認しておくことが大切です。
お客様がどの程度の金額を出せるのかを把握しておくことで、
適切な提案方法を考えることができます。
お客様がどの程度の金額を使う意向があるかを理解すると、
それに応じた提案方法を考えることができるのです。
そして、お客様に合わせて、
「少しがんばれば出せる」
と思っていただけるプランと金額を最低ラインに設定します。
さらに、
「よりよい成果を求めるのであれば、こちらのプランがおすすめです」
という選択肢も用意し、比較できるようにお伝えしましょう。
そうすることで、高額商品も販売しやすくなりますよ。
