小さな気配りがファンを生む理由とは?
●安心して相談していただける関係を築く
「新規は来てくれるのに次につながらない…」
「なかなかリピーターが増えない…」
こんな悩みを感じていませんか?
お客様が来店する理由は人それぞれですが、
何らかの悩みを抱えているという点では共通しています。
その悩みに真剣に耳を傾け、丁寧な対応をしていくことで、
やがてお客様の人生に深く関われるほどの関係に発展していくのです。
心を許して何でも話していただけるような信頼関係を築けると、
お客様にとってあなたは、
「自分のことを理解してくれる特別な存在」になっていきます。
そんな関係性になれるように、お客様と向き合ってみてください。
大切にしてほしいのは、お客様を気にかけることです。
たとえば、お客様の来店時間が
ちょうどお昼どきと重なったとします。
お腹が空いているかもしれないと気づいたら、
近くのキッチンカーでおせんべいを買って、差し上げることもありました。
その際には、かならずささやかなメモを添えます。
「今日は、◯◯さんに会えてうれしかったです。
またお会いできる日を楽しみにしています」
といったひと言を添えて、「あとで読んでくださいね」と渡します。
こうした小さな心配りの積み重ねがあってこそ、
お客様はあなたのファンになっていくのです。

●気配りを感じたお客様がファンになる
「技術や知識さえあれば、お客様は自然とファンになってくれる」
そんなふうに考えてはいませんか?
実際には、それだけでリピーターやファンにはつながりません。
お客様に「自分のことをこんなに気にかけてもらえている」
と実感していただけたときに、心をつかむことができるのです。
これは、美容業界に限った話ではありません。
どのような業界でも同じように実践でき、
お客様のファンづくりに役立つはずです。
ささやかなプレゼントや予想外のうれしい出来事が重なると、
お客様は「またあなたに会いたい」と感じるようになります。
そうした期待をもって来店されるお客様にしっかり応えることで、
さらに満足度が高まるのです。
そして次に期待する気持ちで来店され、あなたもまた応えていきます。
この繰り返しのなかで、お客様の期待と満足は積み重なり、
やがて熱心なファンへと育っていくのです。
わたしは、これを「FOR YOU精神」と呼んでいます。
もし、売上が思うように伸びないと感じているなら、
お客様を放任していないか振り返ってみてください。
お客様にどう向き合うかは、あなた自身の姿勢や成長があらわれる、
仕事でもっとも大切な部分なのです。
●寄り添いながら信頼を深めよう
お客様が誰かを紹介してくださるとき、
それはすでにあなたのファンになっている証です。
だからこそ、最初から「紹介していただける関係」をつくることを意識しましょう。
紹介が増えれば、自然と売上アップにもつながります。
そして、お客様がどれほどファンになってくださっているかを
見極める目安のひとつが、化粧品の減り具合です。
わたしのお店では、化粧品ごとに「1回の使用量」と
「使い切るまでの目安期間」が一覧でわかる表を用意しており、
使用状況を確認できるようになっています。
たとえば、クレンジング1本の場合、
こちらの指導どおりに使えば、1ヵ月半ほどで使い切る計算になります。
もし実際にお客様が「1ヵ月半でなくなった」と来店されたなら、
それはお客様があなたのアドバイスをきちんと実践している証拠です。
行動してくださるということは、あなたの言葉を信頼しているからにほかなりません。
「この人の言う通りにすれば、きれいになれる」という期待と信頼があるから、
素直に実践してくださっているのです。
逆に、もしイヤイヤ無理やり続けているのなら、
その関係性は長続きしません。
お客様から「お金のやりくりが大変」と相談を受けたときには、
化粧品の使い方を工夫できる方法を伝えてあげることも大切です。
ここまで対応できれば、
お客様のお金の管理にまで寄り添っていると言えるでしょう。
本当にお客様の立場に立つエステティックサロンなら、
このような細やかなフォローまで実践できます。
とはいえ、ここまで徹底できているサロンはごくわずかです。
だからこそ、アフターフォローを学び、
スタッフ全員のスキルを高めていくことが欠かせません。
もちろん、誰もがすぐにこのレベルに到達できるわけではありません。
でも、ここまで実践できるようになったスタッフは、
かならず成功へとつながります。
お客様に心から喜んでいただけるように、
チーム全体で取り組んでいきましょう。
