競合が増えても、競わずに選ばれるお店になる方法とは?
●競合店は敵ではなく、相乗効果を生むパートナーととらえる
サロンを続けていると、
周囲のお店の動きや同業者との関わり方について、
ふと悩む瞬間はありませんか?
サロンオーナーのなかには、
ノウハウを共有したがらない人が一定数います。
「独立されたら、全部持っていかれてしまうのでは?」
と不安を口にする方もいるほどです。
そんなとき、どんな視点で経営を見つめるかが、
お店の未来を大きく左右していきます。
わたし自身は、
むしろ積極的にノウハウを渡すタイプなので、
「どうしてそんなことをするの?」
と聞かれたことは一度や二度ではありません。
ただ、こうした考え方をしていると、
事業を広げる方向の経営には向きにくいのではないか、
と感じています。
わたしはノウハウが広がることで相乗効果が生まれ、
むしろ売上は伸びていくと考えています。
この視点は、わたしが主宰する経営塾でもお伝えしていることです。
また、近くに競合店がオープンすると不安を感じる人もいますが、
わたしは逆だと思っています。
同じジャンルのお店が周囲に増えることで、
お客様は比較・検討しやすくなり、
「最近よく見かけるメニューだな。きっといいサービスなんだろう」
と関心を持ちやすくなるからです。
つまり、地域全体で市場が盛り上がり、
あなたのお店にもよい影響が生まれるのです。
そして、来店されたお客様に対して、
他店にはない魅力や心遣いを丁寧に提供していけば、
自然とあなたのお店のファンになっていただけます。
競争するよりも、同業者を仲間として捉えるほうが、
サロン経営はずっと豊かになるはずです。

●出産後も働ける環境をつくりたくて、お店を開いた
エステや美容の業界は競争が激しく、
「競争の世界」と表現されることもあります。
それでも、わたしが競合店を敵と見なさないのは、
おそらく自分自身が
「トップに立ちたい」というタイプではないからかもしれません。
わたしが自分の店を持とうと思った理由は、
売上を追うためではなく、
働き方そのものを変えたいという強い想いからでした。
わたし自身、過去に出産をきっかけに
仕事を辞めざるを得なかった経験があります。
本当は、売上を上げることや続けられる力があったのに、
当時の業界には柔軟な働き方がなく、
どれだけ結果を出しても継続できない環境だったのです。
「同じ想いを誰にもしてほしくない」
「出産しても、自分の人生を諦めずに働ける場所をつくりたい」
そんな想いから、わたしはサロンを立ち上げました。
だからこそ、競争よりも 人が活躍できる場を増やすことを
優先して考えてきたのです。
理想の働き方は、決して遠いものではありません。
可能性を信じて、一歩ずつ歩んでいきましょう。


