お客様の反応を見ながら、決断を後押しする
●一方的に説明せず、お客様の反応を見ながら言葉を重ねる
商品やサービスに興味があっても、
金額や家族への相談、時間の問題などが、
決断を迷わせることがあります。
その理由を知り、
お客様に合った選択肢が見えてきたら、
次は具体的なご提案へ進んでいきます。
ここで意識したいのが、
こちらから説明するだけで終わらせないことです。
提案をしたら、お客様の反応を見る。
その反応を受けて、必要な情報をお伝えする。
そして、もう一度反応を確かめる。
こうしたやりとりを3〜4回ほど重ねながら、
お客様の気持ちを確認していきます。
たとえば、
料金についてお伝えしたときに表情が曇ったのであれば、
金額が気になっているのかもしれません。
反対に、
「どのくらい通えばいいですか?」
「自宅では何をすればいいですか?」
と具体的な質問が増えてきたら、
前向きに検討している可能性もあるでしょう。
同じ言葉をかけても、
お客様によって反応は異なります。
だからこそ、
あらかじめ決めた台本を一方的に話すのではなく、
目の前のお客様の表情や言葉を受け取りながら、
その都度、伝え方を変えていくことが求められます。

●さまざまな場面に対応できる「言葉の引き出し」を増やす
お客様の反応に合わせて提案するためには、
伝え方のバリエーションを持っておくことも役立ちます。
「金額が気になる」と言われたとき。
「家族に相談したい」と言われたとき。
「もう少し考えたい」と言われたとき。
いつも同じ言葉で返すのではなく、
お客様の気持ちに合わせて、
いくつかの伝え方を用意しておくのです。
わたしの「経営塾」では、
用意したトーク集をそのまま覚えるのではなく、
それぞれが少しずつ言葉を変えながら、
自分だけの台本をつくってもらっています。
どれほどよいトークであっても、
普段自分が使わない言葉では、
実際の接客で不自然になってしまうことがあります。
自分が話しやすく、
お客様にも伝わりやすい表現に置き換えたうえで、
繰り返し練習しておく。
そうすることで、
お客様から予想していなかった言葉が返ってきたときにも、
慌てず対応しやすくなるでしょう。
提案力を高めるために必要なのは、
特別な話術だけではありません。
お客様の言葉をきちんと受けとめ、
その方に合った言葉を返せるようにしておくことが大切です。
●何に魅力を感じるのかを見極めて、最後の提案につなげる
お客様のお悩みに合ったサービスや商品をご案内し、
その価値にも十分に魅力を感じていただけたとしても、
「受けたいけれど、どうしよう」
と最後のところで迷われる方はいらっしゃいます。
そんなときには、決断しやすくなるような
特典をご案内するのもひとつの方法です。
たとえば、
「通常5万円のところ、今回は3万円で受けられます」
「いまなら20%引きになります」
といった価格面でのメリットに魅力を感じる方もいれば、
「こちらをご契約いただくと、この商品をプレゼントします」
といった特典や付加サービスを喜ぶ方もいるでしょう。
値引きを好む方、
プレゼントに魅力を感じる方など、
反応にはさまざまな傾向があります。
ただし、何に価値を感じるかは、
性別だけで一律に判断できるものではありません。
それまでの会話のなかで、
「価格を気にされていた」
「特典について何度か質問していた」
「施術以外のサービスにも関心を示していた」
といった反応を振り返ると、
その方に響きやすい提案も見えてきます。
●「売りたい」ではなく、お客様が納得して決められるように支える
クロージングというと、
「何とか契約してもらわなければ」
と構えてしまう方もいるかもしれません。
でも、ここまでのカウンセリングで、
お客様のお悩みや理想を伺い、
その方に合った商品やサービスをご提案してきています。
最後に必要なのは、
こちらの都合で決断を迫ることではなく、
お客様が迷っている理由を整理することです。
「本当は受けたいけれど、ここが気になっている」
という部分がわかれば、
その不安を解消するための情報や選択肢をお伝えできます。
そして、お客様の気持ちが
まだそこまで高まっていないのであれば、
無理にその場で契約へ進める必要もないでしょう。
お客様の反応を見ながら言葉を重ね、
その方が納得できるところまで一緒に考えていく。
クロージングのための言葉を磨くことは、
単に「売る力」を高めることではありません。
目の前のお客様の気持ちを汲みとり、
納得できる選択を支える力を
身につけることにもつながっていきます。


